
三重県四日市市
瀬戸市では、かねてよりICTを活用して児童生徒の心の状況を可視化する取り組みを実施したいと考えており、GIGAスクール構想が大きく進んだ2021年から「スクールライフノート」を導入しています。
当時、新型コロナウイルスの流行もあり、自宅待機で児童生徒との交流の機会が減少する中、子どもたちの声を拾い上げるためになにができるか考える必要がありました。
2023年に入ると文部科学省からは「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」(COCOLOプラン)、こども家庭庁からは「こどもの自殺対策緊急強化プラン」が続けて発令され、GIGAスクール構想で整備されたICT端末を活用した子どもの心の見取りをさらに推進していくフェーズに入ったことで、「スクールライフノート」の活用がより一層進みました。
使用するツールが増えることは、現場の先生方にとって最初のうちは負担が増えることにもなります。ですから、早い段階から校長会などで頭出しをして、学校現場に混乱がないよう計画的に導入を進めていきました。
また、情報推進委員会(*1)とも密に連携を取り、現場でのICT活用の課題を吸い上げて検討に活かし、その内容を校長会で伝えていきました。
(*1)瀬戸市の学校現場におけるICT活用に関する会議体で、市内の教員で構成されています。
「スクールライフノート」上に児童生徒が入力する心の天気を確認する業務は、はじめのうちは先生方にとって仕事が増えたと感じられるかもしれませんが、長い目で見ると、トラブル等の早期発見・早期対応につながり、トータルでは業務負担の軽減になるというメリットを伝えるようにしました。
活用がある程度進んでくると日常の習慣になり、好事例は他の学校にも展開することで、活用促進を図りました。やはり、使っていただく先生方自身にメリットを感じてもらうことが重要だと思います。
▼子どもが入力した心の天気のひとことにコメントを返す先生。 はじめのうちはICT端末に抵抗感を持っていたものの、 いまでは誰よりも使いこなし、子どもたちとのコミュニケーションに役立てているそうです。
子どもが入力した心の天気のひとことにコメントを返す先生。はじめのうちはICT端末に抵抗感を持っていたものの、いまでは誰よりも使いこなし、子どもたちとのコミュニケーションに役立てているそうです。
瀬戸市としては、担任の先生一人に学級を背負わせるのではなく、学校全体で子どもたちを見取っていこうという姿勢で「スクールライフノート」を活用しています。
子どもたちが入力した心の天気やひとことは、学級担任だけでなく管理職や養護教諭でも閲覧可能で、スタンプやコメントなどのリアクションを返すこともできるので、学校全体で子どもたちを見守ることに役立っています。
子どもたちに安心して使ってもらうことが大切です。全校集会などの場で「スクールライフノートは安心できる居場所」「学校の先生みんなで見守っているよ」と伝えていました。
登校後、「スクールライフノート」で朝の心の天気を入力する様子。
また、時間割機能を活用することで子どもたちの学校生活の一部になり、そこから活用が根付いているという実感もあります。
瀬戸市の水無瀬中学校では、全クラスが「スクールライフノート」の時間割機能を使っています。先生方が校務支援システム「C4th」(*2)で週案に入力した単元情報が時間割に反映されており、持ちものや宿題もチェックすることができます。
(*2)EDUCOMが提供する統合型校務支援システム
▼「スクールライフノート」の時間割機能活用イメージ。持ちものや宿題、関連リンクなどをまとめることができ、学びのプラットフォームとして活用できます。
瀬戸市では端末の持ち帰りを実施しており、連絡帳として「スクールライフノート」が機能しています。
欠席した児童生徒、不登校傾向のある児童生徒も自宅で「スクールライフノート」から授業の情報や持ちものを確認できる点も助かっています。連絡の負担が減りました。
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愛知県瀬戸市
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